2024年9月19日木曜日

グミ


こんにちは。院長の佐倉です。

一雨ごとに秋の深まりゆく昨今、

いかがお過ごしでしょうか。

夏の疲れが出やすい時期ですので、

くれぐれもお身体を大切になさってください。





さて、近年グミ市場が成長しています。

2021年にはグミの売り上げがガムを上回り、

2022年にはその差は

200億円以上にまで拡大しました。


一方でガムの売り上げは下がっています。

2023年3月には26年間も続いていた

明治のガム「キシリッシュ」が販売を終了しました。

しかし、その代わりに「キシリッシュグミ」という

グミとして生まれ変わっています。



●ガムとグミの市場規模


このグミ市場の好調ぶりを裏付けるように、

2023年7月の日本経済新聞には

興味深い記事が掲載されました。

それは、のど飴で有名な「カンロ」

グミを生産する工場を拡張するというものです。

グミの需要が増加していることがわかります。


しかし、これだけグミが人気を集める一方で、

健康に気を使わなければならない側面も存在します。

歯科医師の立場からは、

グミの過剰摂取によるむし歯のリスクを指摘します。



グミは元々ドイツで生まれたお菓子で、

「gummi」という言葉は

ドイツ語で「ゴム」を意味します。

多くの人が見たことがあるかもしれませんが、

ハリボーというドイツの会社が有名で、

クマのイラストがパッケージに描かれた

グミを製造しています。


当時、グミは子ども達の「噛む力」を

強化するために作られたお菓子でした。

そのため、今でもハリボーのグミは

かなり固い仕様になっています。


日本では1980年に製造・販売が始まり、

研究が進んで、味や固さなど

様々な種類のグミが登場しました。

日本ではグミは一般的に

「グミキャンディ」または「キャンディ」

(キャンデー表記もあり)という名称が多いです。


グミの主成分は主に砂糖、水飴、ゼラチンです。

ゼラチンはコラーゲンから作られており、

その量によってグミの弾力(固さ)が変わります。

ゼラチンを多く入れると、より弾力のある

固いグミを作ることができます。



●小児が誤嚥するリスク


消費者庁が医療機関からの

情報を元にした統計によると、

5歳以下の子供がお菓子や豆・ナッツなど

硬いもので窒息や誤嚥(ごえん)の

リスクが高いと報告しています。


7歳以上でも事故報告があるため、

小学校低学年までの子どもにグミを与える際には

親御さんが一緒にいて

よく噛むように促すようにしてください。





●むし歯になるリスク


特に間食の種類や頻度は

むし歯の発生と関係があり、

2015年にWHO(世界保健機関)より、

糖類(フリーシュガー)の摂取を

1日25グラム以下に抑えるように

強い勧告をしています。


そのため、お子さんが好んで食べるものや

飲み物の糖分量を把握することが大切です。


では、グミの中に入っている糖の

種類や量はどれくらいでしょうか? 


グミの中に含まれる最も有名な糖は

砂糖(ショ糖・スクロース)です。

ご存じの通り、砂糖はむし歯の原因になります。

次に水飴ですが、

水飴はデンプンを酸や酵素で分解し、

糖の混合物(グルコース、マルトース)にしたものであり、

これもむし歯の原因になります。


他にも濃縮還元果汁や

果汁パウダーにも注意が必要です。

砂糖を加えていなくても、

これらには果物から来る天然のグルコース、

フルクトース、スクロースなどの糖が含まれていて、

これもまたむし歯の原因になります。


また、グミがむし歯になりやすい理由として、

ダラダラ食べをしてしまうことがあります。

食べたいと思った時に、

サッと食べることができるグミ。

この便利さが何回も分けて食べることにつながり、

むし歯になりやすくなります。


間食などで糖類を頻繁に摂取すると、

歯の表面が溶ける時間が長くなり、

むし歯になりやすくなります。

むし歯を予防するためには、

砂糖の摂取量を減らすことも重要ですが、

同様に、甘いものを食べる回数を

増やさないことも大切です。

頻繁に砂糖の入ったものを摂取することは、

むし歯のリスクを高めることにつながります。



●むし歯になりにくいグミの選び方


キシリトール配合のグミを選ぶ


市販のグミにも

キシリトール配合の商品はありますが、

甘味料としてキシリトールが

100%ではなく、

50%以下と考えられ、

残りの甘味成分として

砂糖などが使用されています。


実際むし歯の原因にならないという表記もなく、

キシリトールが配合されていないグミよりは

むし歯のリスクが減るというイメージです。


最近はキシリトール100%で

むし歯の原因となる糖類は一切使用していない、

お口と体に優しいノンシュガーグミも

市販されていますが、価格はかなり高めです。

よく噛むことを目的とするためにも

お口の中に長く停滞させ、

かつむし歯の原因を作らないグミを

選んでいただくことをおすすめします。


 

 

.:*:'゜.:*:'゜.:*:'゜.:*:・'゜.:*:・'゜.:*:・'゜ 

佐倉歯科口腔クリニック
〒330-0856 埼玉県さいたま市大宮区三橋2-19-1
TEL:048-645-5558
URL:http://www.sakura-stoma.com/
Googleマップ:https://g.page/r/CfpzAeOquQx1EAE?gm